東京電力の家庭向け販売電力量は4割に満たないのに、9割以上は家庭向け電気料金から利益を得ていた。このショキングなカラクリを「これはいったいどういうことなんでしょうか」(司会の赤江珠緒)と取り上げた。
地域独占・総括原価方式で利益どんどん上乗せ
カラクリが分かったのは、23日(2012年5月)に開かれた経済産業省の電気料金審査専門委員会に東電が提出したデータだった。販売電力量は家庭向け38%、企業向け62%と圧倒的に企業向けが多いが、電気事業全体の利益に占める割合は家庭向けが91%、企業向けはわずか9%だった。
家庭向けの電気料金は、燃料費や人件費、修繕費などの経費に一定の利益を上乗せする総括原価方式で一方的に決められているのに対し、自由化されている企業向けの料金は企業ごとに交渉で決めている。つまり、企業向けは安くし、その代わり地域独占で選択の余地がなく文句のつけにくい家庭向けの料金は高く設定して利益を生み出していたことになる。
その理由について東電は、「このデータはここ5年間(2006~10年度)の平均で、07年の中越沖地震で柏崎刈羽原発の操業停止で火力燃料費が増え、燃料費の割合が家庭用より高い企業向けの収益を圧迫したため」と曖昧に説明している。
タレントの松尾貴史「中越沖地震って言うけど、一般家庭から割高な料金を取る理由には全然なっていない」
福島原発事故「役員引責辞任」も大ウソ
値上げ問題でマスコミに盛んに顔を出し、値上げの必要性を力説していた高津浩明常務(お客さま本部長)が来月辞任し、東電子会社の社長に就任することが明らかになった。東電が公的事業であることを考えれば「天下り」そのものだが、6月の株主総会を機に原発事故の責任を取って役員全員が辞任するはずではなかったか。
街の声も「官僚の天下りと同じ。呆れてものも言えないですね」(若い男性)と怒る。官僚の天下り問題などを取り上げてきたテレビ朝日ディレクターの玉川徹も、「電気メーターの製造会社らしいですが、この会社は随意契約もあるらしい。競争入札で子会社以外のところから買えば安く買える。電気料金は税金と同じで、天下り批判があってしかるべきと思う」
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