国際労働機関(ILO)が22日(2012年5月)に発表した報告書によれば、2012年の世界の15歳から24歳までの若年層の平均失業率は、前年より0.1ポイント高い12.7%に達する見通しであることが明らかになった。井上貴博アナによると、世界の失業人口は7460万人で、少なくとも2016年までは現行水準で高止まりすると見られ、「全世代の平均失業率は6.2%。若者の失業率はそれよりも倍以上と言われています」
主要国では、イギリスでが21.9%、スペインは50%近くに達し、若者の2人に1人は仕事がない。
企業は即戦力の中年優先
司会のみのもんた「えっ、2人に1人が無職。なんでまたそんな事態になったの」
井上「若者の失業率上昇の原因は、先進国では依然として低成長が続き、途上国では人口増に伴って若者たちが大幅に増えているためです。さらに、08年に起きたリーマンショックとそれに続く金融危機をきっかけに、失業率が上昇に転じました」
労働政策が専門の濱口桂一郎氏は「若者には経験もなくスキルもない。中年には経験もスキルもあり即戦力として使える。若者か中年かといえば、中年を優先して雇用する傾向が世界的に広がっている」と説明する。
若年従業員雇用の会社に補助金や減税
日本も若者の失業率は10%以上だが、さらに悪化すれば「労働人口が減少するので社会保障制度が破綻します。そして、技術やスキルの継承が止まり、景気や治安が悪化。景気はますます悪くなるばかりです」(井上)
コメンテーターの逢坂ユリ(資産運用コンサルタント)「世界的規模で若者の失業率がその国の平均失業率に比べ2倍以上という傾向が強まっています。これ以上の悪化を防ぐには、若者を積極的に雇用した企業には補助金を出したり、減税したりなど、若者がスキルや経験を身につけられる仕組みを考え出す必要があります」
日本では若者たちに「危機感」があるかというのも大きな問題だろう。