「これから1か月間もう酒は飲むな。職員は酒禁止!」
こう記者会見で怒り心頭なのは福岡市の高島宗一郎市長だ。前代未聞の禁酒令の背景には、相次ぐ市職員による酒がらみの不祥事がある。高島市長が目を真っ赤にして、「お酒にまつわる不祥事がこれだけ起きているというのは異常だと思う。お酒の飲み方知らないなら酒を飲むなよ」と訴えるほどだ。
酔って車窃盗、暴行、飲酒運転
2006年、福岡市内で市職員の男が、飲酒運転で前を走っていた乗用車に追突し、追突された車は橋から海に転落、幼い3人の兄妹が水死した。これがきっかけとなり、全国で飲酒運転撲滅運動まで展開された。
ところが、その教訓も今いづこ。今年(2012年)に入り、2月には酔っぱらった消防局職員が車を盗み、4月には市立小学校教頭が飲酒運転で懲戒解雇、先週は市港湾局職員が酔っぱらってタクシー運転手に暴行で逮捕、市保育課係長は飲んでいて同僚を殴りケガをさせ傷害で逮捕されている。市長が「不祥事の始末するために市長になったわけじゃない」と怒るのもわかる。
市職員たちも、「しばらくは辛いですが、酒の量が多くなってきたのでこれを機会に…」「これくらい荒療治しないとダメ」と納得の様子だ。まあ、禁止されたのは外で飲む酒で、自宅の飲酒までは問わないことになっている。
市民「1か月禁酒で効果あるのか」と疑問視
ところが、市民からは「1か月禁酒して効果あるのか。意味があるかな…」(主婦)と疑問視する声も出ている。市職員の溜まり場になっているのか、居酒屋の女将は「こんなに不景気なのに、そんなことしたら店はつぶれてしまう。私たちのことはいっさい考えていない」と反発している。
司会の羽鳥慎一「なるほどね、いろいろな意見がありますね。でもあまりにも不祥事が続いていますからねえ」
これに宮田佳代子(城西国際大非常勤講師)がやはり効果のほどを疑問視し、「禁酒令を出した気持ちはわかるが、罰としてなのか、酒毒のためなのか、どちらだろうと思ってしまう。根本的に見直さないと」
むしろ解禁後の反動が気になる。最後に小松靖アナが「37歳の市長に言われて恥ずかしくないのですかね」で締めた。