依存の問題、ご存知だろうか。けさ22日(2012年5月)の番組中、コメンテイターが「アルコールイゾンショウ(依存症)」について言及した。しばらく前の番組では誰かが(たしか小倉智昭キャスターだと思うが)、「イソン(依存)」と言っていた。
「存」という字には、ソンとゾンと二つの読み方があるから、どっちだっていいだろう――と、ちょっと前まで筆者もぞんざいに思っていたのだが、辞書などによれば、ソンとゾンは意味の違いで読み方がわかれてるそうな。「ソン」は「ある・生きている」という意味に使われる。存在、存続、存亡などである。「ゾン」は「思う・考える」。異存、一存、所存、存知などである。
NHKは厳密に区別「ソンとゾン」
さて「依存」の意味はといえば、なにかによってある・生きることである。したがって、依存はイソンが正しいという理屈になるんである。この伝でいけば、既存もキソンでなければならない。
まあ、依存の読みはイゾンがいまや圧倒的だろうし、正誤を言いたてるほどの問題でもないと筆者には思える。ただ、みなさまのNHKなどは、異存がイゾンであることに異存ないことも手伝ってか、依存のほうは完全にイソンに依存しているらしい。
ちなみに「生存」という言葉がある。これも意味的に「ソン」グループの一員で、昔はセイソンだったらしいとか。イソンが正しいというなら、セイソンの生存権も認める必要がありそうだ。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト