「困ったもんだねえ。今後どう推移していくんですか」。司会のみのもんたが苛立ちを隠せない表情で問いかける。衆院特別委員会で消費税増税関連法案の本格的論戦が始まったが、会期末を1か月後に控え、採決の見通しさえ立っていない。
きのう21日(2012年5月21日)の委員会で、自民党の石原伸晃幹事長は消費税増税法案に賛成する条件として、民主党がマニフェストでうたった最低保障年金や年金の一元化をあきらめ、後期高齢者医療制度廃止を撤回することを求めた。これについて野田佳彦首相は、「骨格の考え方においては自民党と差はないと思う」と述べて改めて自民党の協力を呼びかけた。
与党融和優先掲げながら、「民自で政策一致」強調
ねじれ国会のため、野党・自民党の賛成なくして参院での成立は不可能だ。しかし、自民党と組めば、与党内の小沢一郎元代表グループが反発、党分裂の危機に陥る。野田は自民党へ協力を求める一方で、党内融和の姿勢を捨てておらず、小沢一郎元代表とも会談の意向だ。これは与野党双方に保険をかける二股作戦にも見える。
みの「輿石さんが野田さんと小沢さんと会わせたいというが、何のためですか」
コメンテーターの杉尾秀哉(TBS解説・専門記者室長)「小沢さんが党から出ていかないよう、対話の姿勢を見せるが、小沢さんの考えは変わらないだろうから、会談しても決裂するでしょう」
みの「自民党も消費税増税はやむを得ないといっているんでしょ」
杉尾「きのうの国会のやり取りを聞いてもそれは何度も強調していました。その点ではわれわれも一緒だと。ただ、民主党が選挙で言ってきた約束はダメだから撤回しろというわけです」
逃げ道は国会の大幅延長
杉尾が続ける。「このままいったら、二兎を追うものは一兎も得ず、です。法案成立にはやっぱり野党の協力は必要です。そのためには、小沢切りであり、マニフェストの撤回が必要。だけども、党内融和の姿勢も崩していない。結局、どちらからも協力が得られず、会期末になってしまう」
みの「不退転の覚悟の野田さんはどうしますか」
杉尾「国会の大幅延長しかないでしょう」
三屋裕子(スポーツプロデュサー)「延長して答えが出るんですか」
杉尾「いや、なかなか、出ない」
この問題、「政治生命をかける」という首相の熱意がもうひとつ伝わってこないためか、ああでもないこうでもない議論の末、いつも、スッキリしない終わり方になる。