福見友子(柔道48キロ級)五輪開幕翌日の金メダル狙い

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   「週刊人物大辞典」コーナーで女子柔道48キロ級でロンドン五輪日本代表を勝ち取った福見友子選手(26)と取り上げた。福見が脚光を浴びたのは10年前だ。16歳の高校生のときで、65連勝中の谷亮子選手を破った。

   ところが、周囲の期待とプレッシャーから「返し技が怖くて踏み込めない」と悩み、決勝戦まで進めない試合が続いた。そこで柔道の基本からやり直す。そして07年の世界選手権代表の選考を兼ねた大会で、再び谷を破り優勝。ただ、選ばれたのは実績のある谷だった。

   当時の心境を福見は、「日本の代表として世界で戦うには、まだ甘いことを自分が一番分かっていました。最終的に五輪の舞台で金メダルを取るための過程だと信じてやっていた」という。その結果、09年の世界選手権大会に初出場して優勝した。

谷亮子破ったら新たなライバル出現

   しかし、また試練が待ち受けていた。3歳年下のライバル・浅見八瑠奈選手が立ちはだかったのだ。10年、11年の世界選手権大会で、直接対決の決勝戦で敗れる。一時は「もう終わったと考えた」という福見は、トレーニングに山登りを取り入れる。足腰を鍛えるだけでなく、1度登り始めたら引き返せない山登りで諦めない心をつかもうと考えたのだ。

   苦節10年、技と心を磨いて臨んだ今年1月(2012年)の柔道ワールドマスターズ(カザフスタン)で、浅見を優勢で破り優勝。5月13日に行われた五輪最終選考会でも優勝して、ようやく五輪への夢が実現した。

   作家の吉永みち子がこんなエールを贈った。「引き返したくなったことは何度もあったと思う。谷選手がいなかったら日本代表になっていたとか、次が出てきたとか。この間の悪さ。そのたびに原点に戻り、乗り切ってきましたね」

   ロンドン五輪の柔道48キロ級の試合は開会式翌日にある。開幕早々に金メダルをとれば他の日本選手の励みになる。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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