誰でも一定の割合で税金を負担する消費税には、公平な面と不公平な面がある。金持ちには相対的に負担が軽く、貧乏人は重くなる逆進性があるのはご存知のとおり。消費税率が上がれば、逆進性の問題も深刻になる。これを是正するために、食品などの税率を下げる(非課税)というのはよく聞く話で、わかりやすい。一方、民主党が提唱する「給付付き税額控除制度」というのはわかりづらい。
消費税控除額より所得税が少ないケース
この制度では、まずは納めるべき所得税から一定額を消費税分として控除する。これによって、食品等の税率を下げるのと似たような効果が生じるが、税控除の場合は、払うべき税がなければ控除もされない。たとえば、消費税分10万円を所得税から控除するといったときに、そもそも収入がなくて払う所得税がゼロなら、控除もゼロで、恩恵はゼロとなってしまう。そこで控除額より所得税額が少ない人には、差額分を給付(キャッシュバック)して、消費税分控除の恩恵を誰でもフルに受けられるようにするコンセプトである。
しかし、この制度を取り上げたけさ18日(2012年5月)の「とくダネ!」では、笠井信輔アナの説明がオドロくほど不十分であり、司会の小倉智昭は「(消費税率10%、控除10万円の場合に)所得税15万円払っている人が、10%の消費税を払った上に、さらに余計に5万円取られる話」と勘違いしていた。実際は所得税15万円から消費税分10万円が控除されて、納税額は5万円のはずだ。
オグラは「すごい不公平税ですよね。そもそも所得税(を払ってる額)が違う」などと誤解をもとに色を成して主張。また食品などの軽減税率についても「わかりづらい」「(軽減する品を決める線引きの際に)業界との癒着が出てくる」と難色を示した。