消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案の国会審議がきのう17日(2012年5月)から始まった。野田首相は「国益を考え、与野党が胸襟を開いて成案を得ることが極めて大事だ」と野党側の協力を重ねて呼び掛けた。また、小沢一郎元代表との話し合いの場を作るよう輿石東幹事長に指示した。
野田は小沢会談で対抗
与良正男(毎日新聞論説委員)はこう解説した。
「総理に指示されたと言っているけど、実際には幹事長主導で早くからやっているようです。小沢グループの全員が消費増税の賛成に回っても、野党の自民党や公明党が賛成しなければ法案は成立しません。最近流行の言葉ではないけれど、自公は二股をかけている。小沢氏にラブコールを送る一方で、野田総理には妥協の姿勢をちらつかせています。自公がどちらを選ぶかですね」
尾崎弘之(東京工科大学教授)「そのために与野党のトップ同士の密談が何回か行われているようですが、トップが決断したことをその下が受け入れる体制ができていなければ、密談をしても意味がない。現状では与野党ともに下が動かない」
民自協力に障害は輿石幹事長
井上「輿石幹事長は一体改革の法案成立と、野田・小沢会談のどちらに重点を置いているのでしょう」
与良「野田・小沢会談優先でしょう。党内分裂はあくまでも避けたいと考えているから。そういう幹事長の動きを見て、自民党などからは法案を成立させるための協力体制を取るには、輿石幹事長が最大の障害だという声が出ています」
尾崎「与党の幹事長が最大の障害だといわれるようでは、政権末期の状態だ」
まあ、野田が小沢に会談を申し入れたのも、小沢と自公がこれ以上接近することを警戒してくさびを打ち込もうということだろう。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト