「すごく悔しい。まだショックで受け止められない」と呆然としていた。お笑いのしずちゃん・山崎静代(33)は、ボクシングの女子アマ世界選手権3回戦でドイツの選手に破れた。1年にわたった五輪挑戦はきのう15日(2012年5月)に終わった。
「勝負って一瞬で終わってしまうんだなって思います」
相手のシュトローマイヤー選手(30)はサウスポーだ。しずちゃんには初体験だった。サウスポーは左がいきなり飛んでくる。はじめ互角に打ち合っていたが、左を顔面に食らってダウンをとられた。これで明らかに動揺した。自分のペースをつかめないまま、もう1度ダウン。さらに3度目でレフェリー・ストップ(RSC) の敗戦が決まった。
呆然と立ち尽くすしずちゃんは、リングを降りたところで「あれだけやってきたものが…、勝負ってそういうもんなんだな。一瞬で終わってしまうものなんだなってあらためて思います」。場外に出てからも、「仕方ないですね。途中で止められてしまって、自分のボクシングができる前に終わってしまいました。応援してくれたのに、結果を出せずに申しわけないです」。今後について聞かれると、「まだわかりません」と力なく答えた。
司会の加藤浩次「残念でしたね」
キャスターのテリー伊藤「もっとやらせたかったね」
具志堅用高「左ストレートもらって下がっちゃったね」
スタジオには、元世界チャンピオンの具志堅用高、しずちゃんの相方・南海キャンディーズの山里亮太がいた。山ちゃんは「いやあ、悔しかった。いい夢見れた。自分の相方がオリンピックに立つかも、というね。メールは打ったんだが、ショックなのかまだ返ってこない」
具志堅は「2回戦はいい闘いしてたが、きのうはいきなりサウスポーでしたから、左ストレートを先にもらっちゃった。それで後ろへ下がっちゃった」とプロの目で分析した。
加藤「エッ、もう止めるのという感じがするんですが」
具志堅「アマチュアは早いんです」
テリー「サウスポーはどこが難しいんですか」
具志堅「普段から練習しないから」
サウスポーの選手は少ないから、右ききの選手は戸惑う。逆に、相手はいつも右ききとやっている。だから左へ回り込みながら闘うのだが、しずちゃんははじめこそ回り込んでいたが、1発食らってからは下がっちゃった。具志堅は「経験が少ないから」だという。
加藤「でも、2年ちょっとのしずちゃんが世界選手権で1回勝つってすごいことですよね」
具志堅「世界選手権に出るだけでも大変なんですよ」
山ちゃん「がんばったよりも、そこに立っただけでもね」
加藤「しかも勝ってる」
とはいえ、結果は結果。きのうの時点で、残るアジア人選手は2人になって、しずちゃんの五輪の目は消えた。残るはアジア大陸推薦枠での可能性だが、これも難しいだろうという。
このあとしずちゃんがどうするか。戻ってからじっくり考えることになるのだろう。具志堅は「いちどボクシングやると、やめられない」と いっていたが…。