中国で行われているアマ・ボクシングの世界選手権で、ミドル級で出場しているお笑いのしずちゃん、山崎静代(33)がきのう14日(2012年5月)、 初戦(2回戦)のウズベキスタン選手を破ってベスト16になった。ロンドン五輪への道はまだまだだが、とりあえずはホッとした。壮絶な打ち合いのビデオを見て、司会の加藤浩次は「すごいですね。ダウンをとられたのを巻き返して勝った」と大喜びだ。
「ポイントはわからなかったけど、勝ってるんじゃないかとがむしゃらにやった」
山崎は1ラウンドにスタンディングカウント(ダウン)をとられたが、2ラウンド、3ラウンドで逆にダウンを奪い、レフェリーストップで勝った。レフェリーに手を挙げられ、しずちゃんは初めて笑った。試合後、「ポイントはわからなかったが、先生が『ここからや』というので、勝ってるんじゃないかと思ってがむしゃらにやりました」と話していた。
南海キャンディーズの相方、山ちゃんの山里亮太がスタジオに現れた。しずちゃんとはきのう電話で話したという。
キャスターのテリー伊藤「はじめは危なかった」
山ちゃん「昔ならあそこで折れちゃったと思うけど、今回は違った」
「スッキリ!!」はこの1年、しずちゃんを追ってきた。5年前から健康のためにボクシングを始めはじめ、昨年5月にオリンピック強化メンバーに選ばれた。試合経験もなかったが、「命を懸けてやる」と言った。ミドル級の上限は75キロだので、まず体重を絞る節制を続けた。
技術的な課題は2つあった。打ったあと「足が止まる」こと。だから打たれる。もうひとつが「体が起きてる」こと。棒立ちだからやはり打たれる。昨年6月の初の試合は韓国選手に打ち負けた。9月に台湾で公式戦のデビューしたが、これも負けた。しかし、この2月の全日本女子選手権では大差の判定で勝った。確実に強くなっていた。今回も試合前に「全部出し切る」と言っていたが、その通りの奮闘だった。
準々決勝進出かけた3回戦はきょう15日。相手はドイツの強豪選手
加藤「決して器用ではないが、昔の映像と比べたら、とんでもなく進歩している」
テリー「どんどん強くなってるのがよくわかる。去年の9月 からだって、パンチが早くなった、スタミナがついた。すごいね」
山ちゃん「伸びしろがあったんですね。電話で『ひと安心だね』といったら、いや明日も試合だし、どうなるか、とにかくやってくるわとリラックスしてた」
加藤「完全な格闘家だね。普通だったら『やったぁ』となるのが」
山ちゃん「周りがワーッと言ってるのを、ちっと明日も試合だからって冷静です」
加藤「気持ちが切れてない」
しずちゃんの1年を追ってきた大竹真レポーターも、「しずちゃんは打たれるとカーッとなってストレートばかりになることが多かったが、今回はパンチのコンビネーショ ンが多彩でよかったし、体の切れもよかった」
準々決勝進出をかけた3回戦はきょう15日に行われ、相手はドイツの選手。これは強敵らしいが、勝たないとオリンピックはこない。出場できるのは、特別枠をのぞけば各クラストップだけだ。