東電 渋る資産売却、急ぐ値上げ―身を切らず社員「天下り先」確保?

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   「値上げは権利」と豪語した東京電力の西澤俊夫社長が11日(2012年5月)、家庭向け電気料金の値上げを経産省に申請した。そのまま認められれば、標準家庭で月額480円、年間5760円のアップになる。

   当然、消費者から「東電は身を切る努力をしていない」と一斉に反発の声が聞こえてきた。たしかに、豪華保養施設や遊休資産処分など、いまだに身を切る努力が進んでいるようには見えない。

豪華保養所や都心部に使っていない空き地

   東京電力は熱海や鎌倉、大磯など、静岡県と神奈川県にまたがって4か所の豪華保養所を所有している。このうち売却済みは熱海の「東夕熱海荘」だけ。鎌倉の由比ヶ浜に近い「鎌倉荘」の資産価値は25億円ほどというが、まったくの手付かずである。東京スカイツリーの見える東京・足立区にある「千住資材置場センター」6万平方メートルは、現在、全く使用されていない。時価に換算すれば180億円というが、これも付近住民によると売却の動きはないという。

   東京・品川の1等地にある電力事業とは全く無関係の賃貸オフィスビル「芝浦アークビル」も売却されずのそのままだ。電力事業とどんな関係があるのか、都内に老人ホーム7か所を運営しており売却の気配すらない。

   東電はどのくらいの資産を売却する方針で、現在まで売却した実績があるのか。問い質すと、しぶしぶ出した答えが、2011年から3年以内に900か所の資産をおよそ2472億円で売却する計画。このうち現在の実績は約2割の500億円という。

文   モンブラン
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