広島県福山市内のホテルで13日早朝(2012年5月)に発生した火災で7人が亡くなった。スプリンクラーもなく、窓にベニヤ板が張られるなど、建物は逃げ場のないほぼ密閉状態で、死因は一酸化炭素中毒死とみられている。市消防局が立ち入り検査して改善指導したのはなんと9年前で、問題を認識しながら放置していた。
髪の毛燃え服ボロボロの従業員「起きて下さい!」
現場はJR福山駅から約1キロ離れた住宅街だ。目撃した住民の話では、当時ホテルにいた従業員は75歳の1人だけ。髪の毛が燃え、服もボロボロに焼けたこの従業員が、大声で「起きて下さい。起きなさい」と叫んでいたという。そのうち男性がパンツ1枚、裸足で逃げ出してきたという。
このホテルは50年前に木造2階建てのラブホテルとして建てられた。その後、隣接して鉄筋4階建てを増築。現在は「福山一の格安ホテル」を売り物に、ビジネス客の宿泊も受け入れていたらしい。焼失したのは木造2階建ての大部分で、ここには階段はなく、下に降りるには鉄筋4階建ての部屋の真ん中に2か所ある階段まで移動しなければならなかった。
出火当時は9組の宿泊客がいたが、窓がない部屋や窓があってもベニヤ板が張ってありほぼ密閉状態のため逃げようがなかった。警察は亡くなった7人は一酸化炭素中毒死と見ている。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト