福山ラブホ火災「早く逃げて!」叫んで戻った女性従業員―報知器鳴らず

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   きのう13日(2012年5月)朝、広島県福山市で起きたホテル火災では、男性3人、女性4人が死亡し、女性2人と従業員1人が重傷を負った。最初に火事を通報したタクシー運転手の高橋和昭さんは、「車を走らせていたらきな臭いにおいがしたんです。でも、ゴミを焼いているにおいとは違う。何だろうと思って角を曲がったら、前方に黒煙が吹き出していました」と話す。

   また、近所の住民は「女性従業員が『逃げて!早く逃げて?』と必死になってと叫んでいる声を聞きました。火災報知器の音は聞こえませんでした」と語り、この女性従業員はいったんはホテルの外に避難したものの、再びホテルの中に戻って行ったという。

消防組合「5回警告したが改善確認せず」

   井上貴博アナはいかに危なっかしいホテルであったか説明した。「このホテルにはこれまで5回の警告が出されていました。危険性が予知されていたのです。1960年に2階建ての木造部分が、68年には3階建ての鉄筋部分が建てられ、2棟を繋げる形となっていました。でも、ホテル内部は暗く、階段は1つだけ。非常階段は作られていませんでした。

   1泊3500円という格安料金の部屋の中には、窓にベニヤ板が張られていた部屋もあり、消火に手間取ったそうです」

   福山地区消防組合消防局は「消火設備などの改善指導はしたが、その後に是正されていたかどうかは確認していなかった」という。

宿泊客にはわからない是正指導情報

   コメンテーターの八塩圭子(学習院大学特別客員教授)は「行政はこうした是正指導の情報をもっと積極的に開示して欲しいですよ。私たちには宿泊料金しか分からず、消火設備に不備があるかどうかは分からないのだから」と語った。池田健三郎(経済評論家)は「ホテル業はいろいろな設備を備えた装置産業。その設備に金を惜しめばこうした事故が起きる。それと、先日起きた高速バス事故と同じく、格安料金にはそれなりのリスクが伴うということを自覚すべきだ」と話す。

   火災のホテルはいわゆるラブホテルで、地方都市で1泊3500円というのは特別に安い料金ということではないはずだ。また、「優」マークの対象にもなっていないだろう。番組スタッフ、コメンテーター陣は、この種のホテルにはいらしたことがないということか…。

文   ナオジン
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