政府はきのう(2012年5月10日)開いた電力の「需給検証委員会」で、関西電力の大飯原発が再稼働すれば、夏の電力不足は0%という試算を発表した。井上貴博アナは「今年の夏のピーク時に電力不足になると見られているのは全国9電力会社中、北海道電力、九州電力、関西電力の3社です。なかでも関西電力は15%近くの電力不足が起きるからと、大飯原発再稼働を求める姿勢を崩していません」と説明する。
大飯動かせば夏の電力不足0%という試算
コメンテーターの吉川美代子(TBS解説委員)は「関西電力の姿勢は何が何でも原発再稼働ありきで事を進めようとしている印象です。再稼働しないと電力危機が起きると国民を脅しているとしか思えない」と不信を募らせる。今回の試算も関電のデータを右から左に通したもので、「停電が困るというなら、大飯原発再稼働を認めろ」という関電の腹の内が露骨に見える。
尾崎弘之(東京工科大学教授)は「検証委員会による試算の数字の根拠が不明ですよ。中にはおかしな数字もあり、試算は(節電などの数字が)まだまだ甘い」と言う。毎日新聞論説委員の与良正男も「この試算に周囲の滋賀や京都がどう反応するか。科学的試算も大事だが、信頼も大事。多くの人は電力会社や政府の言っていることを信じていませんよ。野田総理の言っていることもコロコロ変わり、フラフラしているので、誰も信用しなくなってきている。こうした状況で原発再稼働を急ぐのは、非常に問題だと思いますね」という。「停電・料金値上げ」と「原発再稼働」どっちがいいというわけだが、世論調査では「再稼働急ぐな」が7割だ。