経済ジャーナリストの萩原博子は怒っていた。「頭から国有化ありきと決めつけ、話を進めている。これからの日本のエネルギー政策をどうするのかも議論せず、ただひたすら国有化を推し進めている」
きのう9日(2012年5月)、東京電力は事実上の国有化を盛り込んだ総合特別事業計画を政府に提出、認定された。柱は3つで、政府が公的資金1兆円を注入して国有化し、10年間で3兆3650億円のコスト削減、今年7月から家庭やコンビニ向けなどの電気料金を平均10.28%値上げする。
7月から標準家庭で月480円負担増
井上貴博リポーターは「月に290キロワット使用する標準家庭で、約480円の値上げとなります」と説明した。街の主婦にも聞いた。「自分の身は削らないで、私たちに値上げを押し付けてくるのは納得できない」「我が家では年間で1万円近くの値上げになる。家計にとっては大きな痛手」と話す。
さらに、井上は6月の株主総会で退任する西沢俊夫社長が「値上げは権利だ」という発言をしたことに触れ、「総合特別事業計画に関する記者会見の席上、自分の本意が正しく伝えられなかったと謝罪しました」と触れたが、コメンテーターの北川正恭(早稲田大学大学院教授)は「社長としてのガバナンスの問題。本意が正しく伝わらなかったと言っているが、それは嘘でしょう。思わず本音が出てしまったのだと思います」と皮肉った。
文
ナオジン