気象庁はきのう7日(2012年5月)、つくば 市で起きた竜巻の規模を推定した。被害範囲は幅500メートルで長さが約15キロ。家屋の全半壊775棟以上、けが人37人、死者が1人だけだったのが不思議なくらいだ。阿部祐二レポーターが竜巻のあとをたどった。
サッシひん曲がり、網戸ボロボロ
被害を受けた団地には、福島原発災害で避難してきた7世帯20人もいた。浪江町からという女性は「ショックでした。またいちからやりなおさないといけない。浪江町に似て山がきれいで田んぼがあって、なじんでいたのに」
どこも後片付けに追われていた。室内でも戸外でも、いちばんやっかいなのだガラスだった。いたるところに散らばって手の付けようがない。 屋根に上がってみると、トタン屋根も飛散したがれきや瓦、ガラスでアナだらけだった。 阿部が現場から持ってきた割れた瓦やひん曲がったサッシ、ガラス片などを見せたが、網戸の網がキズだらけだったのは衝撃だ。ガラス片だけでもズタズタになる。阿部は「電柱だってただ倒れてるのではなく、ひきちぎられていた」という。
司会の加藤浩次「それが50キロから60キロの車並みのスピードで来るんだから」
菊地幸夫(弁護士)「地震はある程度知っているが、竜巻からどう身を守るかの知識はまったくない。映像撮った人も逃げてはいない」
香山リカ(精神科医)「竜巻注意報というのを見ますけど、ではどうしたらいいのかがわからない」
発生注意報の的中は「589回中8回」
専門家による映像分析では、雨雲の早さは時速70キロ。つまり竜巻もその早さということである。気象庁は柏市にあるドップラーレーダーで雲の中の風の 動きを測して、ホームページで「竜巻発生確度ナウキャスト」という予測を出しているが、昨年出した竜巻注意報は589回、うち的中したのは8回だ。
キャスターのテリー伊藤「それじゃぁ信じないね」
加藤「注意報を待つんじゃなくて、起きた時にどう身を守るかになる」
阿部によると、竜巻から身を守るポイントは、(1)竜巻の進行方向と直角に逃げる。(2)戸外にいたらコンクリートなど頑丈な建物に避難する。(3)屋内では竜巻に対してカベをつくる。カーテンを閉める。布団をかぶる。さらに奥まった部屋なら安全―という。
加藤「ガラスを避けるためですね」
阿部「ガラスでケガをした人はたくさんいたが、これはけが人に数えられてないと思う」
菊地「見えたら自分で身を守るしかない。外へ出たほうがいいか、閉じこもったほうがいいか、検証して教えてもらいたい」
テリー「7分間も竜巻を撮った人がいたが、本当はカメラ撮らないで逃げて下さいよ。その分、逃げる時間が長くなる」
地震だってそうだ。日頃どうするかを考えておくだけでもいざというときの役に立つ。