高速バス・ベテラン運転手「身内には怖いから乗るなって言ってる」

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

総務省「規制ゆるい」と指摘しても国交省無視

   問題点その3は国交省の規制の甘さだ。国交省の指針によると、ツアーバス運転手1人が1日に走行できる距離は670キロまで、9時間となっている。670キロは東京から西は岡山市、東は青森・八戸市だ。運転手仲間では「机上の空論」という声が高かったという。コメンテーターの東ちづるも「仲間とドライブならまだしも、お客を乗せたバスですから神経も使うし…」と呆れた。

   見かねた総務省が運転手を対象にアンケート調査したところ、運転手1人の限界は、昼間が531キロ、夜間は439キロだった。総務省はこのデータを基に指針を改めるよう国交省に要請したが無視されたという。今回の事故でようやく反省したのか、国交省は走行距離の上限見直しや、これまで安全確保の責任をバス運行会社にだけ負わせていたのを旅行会社との共同責任に改めるという。

   もう一つ気になるのは、このところ居眠り運転による大事故が多いこと。1日に宇都宮市で起きた路線バスの追突事故は17人が重軽傷を負った。ブレーキ痕がないかったことからこれも運転手の居眠りの可能性がある。今年は天候激変で体調を崩しやすく、つい居眠りしてしまうのかも。規制強化は大事だが、運転手自身の体調に対する自覚もおろそかにされては困る。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
姉妹サイト