亀岡死傷事故―加害者父親「ケータイで謝罪」の無神経

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   少年の無免許居眠り運転で10人の児童らが死傷した京都・亀岡の大事故で、引率していて亡くなった保護者の女性(26)の携帯電話番号を教えたのは、児童らが通っていた小学校の教頭だった。加害者の少年のおじが26日夜(2012年4月)、その経緯を語った。

電話番号漏らした小学校教頭「頼まれてつい…」

「私どもが何の意思表示もしないうちに通夜や葬儀が過ぎてしまうことについて、これは本当に許されないことではないかと…。(少年の)父親は『情報はどこから聞いた?』と問われて、聞いた先の親戚や教頭にはご迷惑をかけられないとウソをついてしまった」

   教頭はかつての教え子の保護者で、加害者の親戚から「葬儀の日程と携帯電話の番号を教えて欲しい」と頼まれ、つい教えてしまったらしい。その教頭が27日未明に記者会見し、「伝えてはいけないことは重々肝に銘じていた。私の心に隙があったと思う。私の甘い考えからです。申し訳ない」と謝罪した。

   警察は被害者10人の住所、氏名を被害者側に確認せず教え、教頭は電話番号を教えていたのだ。地方公務員法でいう守秘義務違反の可能性がある。とくに亡くなられた遺族の身を切られる心情を配慮しなかったことは重い。加害者の父親の行動は、結果的に被害者の心情を逆なでする形になったが、やるせないのは故意ではなかったことだ。

「このまま黙っていて許されるのか」という気持ちわかるが…

   コメンテーターの藤巻幸夫(元伊勢丹バイヤー)は「個人情報に対する教育を徹底する必要がありますね」と言い、吉永みち子(作家)も「なぜ警察も学校も個人情報についてこんなにルーズになってしまったのか不思議だ」と話した。

   法律的にいえば、個人情報を漏えいしたことはたしかに悪い。ただ加害者側親族の「このまま黙っていて許されるのか」という懺悔の思いも理解できるから、教頭も懇願されてつい漏らしてしまったのだろう。

   むしろ、理解できないのは少年の父親の不見識な行動だ。被害者を悲劇のどん底に突き落とした加害者側なのだから、タイミングを見計らって被害者宅に出向き謝罪するのが礼儀ではないか。それを携帯電話に電話するとは論外である。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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