京都府亀岡市で起きた軽乗用車による小学校児童ら10人の死傷事件で、運転していた少年(18)の父親に被害者の連絡先がわたっていた。ひとつは警察署の交通課員が、さらに小学校の教頭も携帯電話を教えていた。
「知り合いの保護者だったので…。考え甘かった」
事故翌々日の25日夕(2012年4月)、亡くなった保護者(26)の携帯電話に加害少年の父親からかかってきた。 父親は「謝罪したい。通夜や葬儀で線香をあげたい」と話したが、夫(28)は「いまはそっとしておいて」と断った。電話の持ち主は死亡しているのにと不審に思った夫が、電話をかけ直して聞いたところ、 父親は「亀岡署の交通課で聞いた」と答えた。謝罪したいという父親に独断で被害者10人の連絡先を渡していた。
夫は「加害者については『未成年だからいわんといて』といいながら、嫁の電話番号を勝手に教えてるんですよ。そんなこと許されるのか。加害者をかばって、被害者に人権はないのか」と怒る。被害者の父(48)も「死んだ娘の携帯ですよ。考えられない」と不信をあらわにした。
亀岡署は「被害者を傷つける、配慮に欠けた行動だった」と謝罪したが、その後、警察が渡したリストには問題の携帯電話は含まれていないことがわかった。今度は市の教育委員会が調べた結果、教えたのは子どもたちが通っている安詳小の教頭だった。教頭は加害者少年の親戚の父兄から「父親が謝罪したいといっている」と頼まれ教えた。夫の電話だと思っていたという。教頭は「知り合いの保護者だったので…。考えが甘かった」と謝罪した。
警察官も教頭も地方公務員法「守秘義務違反」
司会の加藤浩次「警察だと思われていたのが、教頭だった。守秘義務違反では」
八代英輝(弁護士)「地方公務員法では、職務上知り得たことを漏らしてはならないとなっている。警察も教頭も該当する。謝罪したい気持ちはわかるが、今回は被害者に無断だった、亡くなった人の携帯だった。さらに葬儀というタイミングから、やってはいけないことだった」
キャスターのテリー伊藤は「少年の父親がダメですね」という。「父親は謝罪で自分の気持ちを収めようとしてる。他の人にも電話してるだろうが、相手への配慮に欠ける。大切なのは耐えること、相手の気持ちが治まるまで待つことだ」
加藤「警察が教えなかったのはその番号を知らなかっただけでしょう。なんか欠けてる」
テリー「亡くなった人の携帯電話だからね」