週末からいよいよゴールデンウイークだが、ガソリンの高値が続いている。きのう25日(2012年4月)現在のレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットル当たり155・5円。1月に比べ10円以上の値上がりだ。ドライバーも観光地もあの手この手のチエを絞っている。
自動車教習所の「エコドライブ講習」人気
取材キャスターの奥平邦彦が都内のガソリンスタンドの表示を見て回る。173円、166円、163円と150円台を上回るスタンドばかりだ。その中で、板橋区の環状7号線沿いでは147円の店があった。半径1キロ圏内に9軒の店がひしめく激戦区なので安易に値上げできないという。店は「1円の差で10キロ先のスタンドまで行く人もいます。ギリギリのところで頑張っています」と話す。ガソリン価格の比較サイトの調査では、価格表示をしないスタンドも目立つ。「高いという印象を避けたい意向ではないか」という。
さいたま市の自動車教習所では、自衛策として燃費のいい走り方「エコドライブ」の講習を受ける人が増えている。ポイントはふんわりアクセル。5秒以上かけて時速20キロへ加速する。そして、一定速度と一定の車間距離を保ち、ブレーキの前は早めにアクセルをオフにすること。これによって、燃費は1リットル当たり約1キロ改善されるという。年間1万キロ走るとして、今年1月からきのうまで1リットル当たり12円値上がりしているので、ガソリン代の負担増は1万9188円だが、エコドライブでの節約が3万4975円になるので差し引きかなりのプラスになるというわけだ。
千葉・鴨川シーワールド「米、味噌、醤油、給油券」サービス
行楽地では客離れを心配している。シャチやイルカのショーで人気のある千葉県南端の鴨川シーワールドは客の9割が車だ。出控えが深刻になれば、米やみそ、醤油などの生活必需品や給油券のサービスを実施せざるを得ないと話している。露天風呂が売り物の箱根の旅館も1リットル180円台になったらキャッシュバックすることを考えている。
専門家によると、ガソリンの値上げはイラン情勢の緊張による原油価格の高騰が背景にあり、また5月から9月にかけてはアメリカのドライブシーズンに入るため、今後もジワジワ上昇して7月中旬には165円程度になり、秋に入るまで値下がりはないという見通しだ。