20代で社会に出てきて再犯のおそれ
弁護士の住田裕子が犯人の少年らの今後の処分について次のように語った。
「刑法の大原則として、人にはうっかりミスがあり、特別の法律がない限り重い処罰はしないとなっている。今回の場合、過失犯で、運転技能に関しては事実上あったということ、たまたま居眠りしてしまった過失ということで、故意犯に準ずるとするのは難しい。
ただ、一つ考えられるのは、居眠り運転はその時点では過失かもしれないが、いつ眠るかもしれないのに何十時間も運転し続けた。眠くなるのは当たり前で、そういう危ない状況になるのを認識しながら走り続けたところは故意犯としてぎりぎり入る可能性が出てきた」
故意犯となれば「危険運転致死傷罪」に問われることになる。住田はさらにこうも語った。
「彼が20代で社会に出てきたとき運転免許は交付されませんから、社会の中で仕事ができないために再犯の怖れがある。今回、無免許で保険も入っていないだろうから、被害者に請求権はあっても、ない袖は振れないで損害賠償も出ないおそれがある。被害者はただただお気の毒だと思う」
無免許、居眠りでこれだけの大惨事を引き起こし、最長でわずか8年の刑。しかも損害賠償もなしで被害者は「不運」で片づけられてしまう。日本の法律はもう少し社会通念を反映させてもいいように思う。
文
モンブラン