街おびやかす放置空き家―倒壊危険や放火、ゴミ投棄

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マイホーム促進で景気刺激のツケ―いまだに続く供給過剰

   神戸大大学院の平山洋介教授は「空き家対策の基本はこれ以上空き家を増やさないことだが、人口が減り始めているのに新しい住宅をたくさん建てることをまだやっている」と嘆く。平山教授によると、1970年代までは住宅が足りなかったが、80年前後に世帯数と住宅数がほぼ一緒になった。ところが、住宅建設を経済対策に使うようになって、そういうシステムから今も抜け出せないでいるという。

   キャスターの国谷裕子が「新築によって経済を回すのは現実的なのでしょうか」と聞く。平山教授はつぎのように答えた。

「空き家を仕分けすることによって、良質の中古住宅を取得する人に対し、税制や融資面で優遇するインセンティブを与える政策が必要になる。そうすることによって、自分の住宅を手に入れ、価値を維持するインセンティブも働くようになる。
人口減少が起きているが、今後は世帯数も減少していく。昨年の新築件数は80万戸、既存の住宅は5000万戸で、これを丁寧に手入れすることによって積み上がる経済効果は大きい。ヨーロッパのように、世代間にまたがって使用できるようなしっかりした住宅を建てるようなインセンティブも働く」

   少子高齢化による人口の減少によって、家づくりや街づくりの在り方まで問われる時代に入ってきたといえる。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2012年4月18日放送「『空き家』が街をむしばむ」)

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