「ほめる達人」、略して「ほめ達」というのだそうだ。その検定試験というのがある。リポーターの大竹真が受験した。筆記試験は「自分が言われて嬉しいほめ言葉をできるだけ多く書き出しなさい」なんて調子。試験会場で隣同士になった初対面の人をほめ合うなんてのもある。大竹は隣の女性に、「上品ででしゃばるような感じじゃないんだけれども、表情には芯の強さがありますね」と歯の浮くような言葉を並べたあと、「あっはっは」と大笑い。
居酒屋チェーン「鳥貴族」では毎月「ほめるミーティング」
ほめ達検定が始まったのはおととし2月(2010年)で、 全国各地で行われ、これまでに4627人が認定されているという。なぜ受けたのかを受験者に聞いた。生命保険会社の部長は「会社をあげて(ほめるを)ブランド戦略のひとつとして推進していこうというのがある、もっとほめる文化を進めていこうという声があって、『ほめるカード』も作った。上司が部下に渡す」とカードを見せた。
夫婦で受験した妻は「夫婦ではなかなかほめ合えないので、それを学びにきました」。 ある男性は「子育てですかね。娘が中3で会話は『うざい』『きもい』ですね」。家庭でほめることを考える人が増えているのだそうだ。専門家は「ほめられると、お金をもらった時のようにドーパミンが出てうれしくなる。脳はそれを覚えていて、どんどんやりたくなる」という。つまり、テストでいい点をとってほめられると、さらに勉強してといい循環になるという。
居酒屋チェーン「鳥貴族」のダンクでは、17店舗で毎月「ほめるミーティング」をやっている。店長がスタッフへの言葉を用意してほめる。「失敗したけど成長した。ありがとう」という言葉にアルバイト女性が涙を流していた。「ほめられてうれしくて…。こんなに見ていてくれたんだと、次もがんばろうという気になる」。このミーティングでスタッフの士気があがり、接客の向上になったという。
保育園でもほめていた。保育の心得のなかに「小さなガマンができた時、心から褒めます」というのがあった。子どもは「ダメ」といわれると全人格を否定されたように感じることもあるのだそうだ。 子どもが気の済むような解決策をうながし、それができたらほめる。この効果は家庭にもおよんでいるというお母さんの声もある。我慢強くなったり、お手伝いするようになったりするらしい。
人をうれしがらせる「ほめテク」ポイント
とはいえ、どうやってほめたらいいか。白鴎大の仁平義明教授は「人知れず努力していたのを見ていたというほめ方はうれしい。ずっと見ていた、関心を持っていたといういい方。いい時も悪いときも見ていて、両方伝えられるほめ方、そういうのが必要」という。これが具体的で、間接評価が加わったりすると一層効果的。抽象的でベタだとダメだそうだ。これを就活中の学生を使った実験がなかなか面白かった。上手いほめ方をされた学生は笑顔の数が断然多くなる。「自分が大事にされていると思うと、自尊心が高まる」と仁平教授はいう。
司会の加藤浩次「いいなと思った時に、いいなとほめられる人になったほうがいいということですよね」
そこで大竹は、検定試験にあった「短所を表す言葉を長所に言い替えよ」という問題をスタジオで問うた。「空気が読めない」をアナの葉山エレーヌに当てはめるとという設問に、キャスターのテリー伊藤が「葉山さんは1人で生きていける。将来離婚した時に…」と脱線。正答は「自分らしさ」「流されない」など。次が「八代英輝はケチである」。これもテリーは「八代さんはお金もってない」。加藤は「倹約家とか金銭感覚が鋭い」。これが正解。「はるな愛は落ち着きがない」にもテリーは「現状に満足してない。ということは向上心が高い」。これはうまい。はるな自身が「うれしー」。テリーが「ほめ達」であることがよくわかった。