石原慎太郎・東京都知事がきのう19日(2012年4月)にアメリカから帰国し、成田空港で尖閣諸島買い取りの理由などをあらためて語った。
「東京は国のためにある。国も東京のためにあるんでね、できることがあったら、東京が身銭を切ってでもやった方がいいんじゃないですか」
「政府がはっきりものを言わないから動いた」
尖閣諸島のうち、魚釣島など3島は埼玉県の所有者から年2500万円で国が借りて管理している。その契約が来年3月で切れるので、そこで都が買い取るという話だ。
その理由について、尖閣周辺の海底資源と水産資源が中国に浸食されていることをあげた。山田吉彦・東海大教授によると、石油は1968年に1000億バレルの埋蔵が確認され、うち100億 バレル(約80兆円)が使用可能という。また、クロマグロの産卵海域で、中国漁船の乱獲が懸念されている。
石原は「日本政府が主権を踏まえてはっきりものを言わないからいけない。国が乗り出して万全の態勢をとるなら、いつでも東京は下がる」と、いずれは国へ売り渡す可能性もほのめかした。つまりは、「国の姿勢を引き出すためだ。その方が物事はスムーズにいく。それが政治ってもんだ」
国も助かる「東京都からの転売」
司会の加藤浩次は「国を動かすためだというんですか」
リポーターの西村綾子が石原の動きの背景を解説した。「中国はすでに日中中間線付近で石油探査を始めており、中国漁船は270隻もが操業を確認され、乱獲の懸念が強まっています。日本の海上保安庁の巡視船が巡回していますが、島へだれかが上陸しても、対応する権限かないなど法的な不備もあるんです」
キャスターのテリー伊藤「もともと日本のものなんだから、なにをもって万全というかだね。いちばんいいのは、港を作って人がいられるようにすること。怒ることは怒る、主張することは主張しないとだめですよ」
加藤「日本固有の領土でしょう。資源だ、マグロだというと、中国と同じ立場になってしまうのでは?」
八代英輝(弁護士)「石原さんが動かなければ何も変わらなかったのは事実」
加藤「国は中国を刺激しないために…」
テリー「都が自衛隊常駐してくれといったら常駐しますか。国にはしっかり守ってもらいましょうよ」
いま国が買ったらもろに外交問題になる。しかし、石原だと国も中国に対して言い訳ができる。「やむをえず国が買います」というのはいい手かも知れない。