大リーグ・レンジャーズに移籍したダルビッシュ有はこれまでに2試合に登板したが、いずれも自分で納得できるピッチングではなかった。しかし、国谷裕子キャスターはダルビッシュの強さは「持ち前の修正力です」と指摘する。ハイスピードカメラの映像をチェックしながら、ゲストの与田剛(NHK野球解説者)が分析した。
登板中もプレート踏み位置を微妙に調整
与田はダルビッシュがプレートを踏むときの足の位置に注目した。「最初はプレートの真ん中を踏んでいたが、打たれると軸足を3塁側寄りに置くようになった。真ん中では左バッターには打ちやすいボールとなる。それを瞬時に解決した」
国谷「ピッチャーが試合中にフォームを変えることに不安はありませんか」
与田「自分を上手くコントロールできないという不安はあります。フォームを変えることでより不安定になるのではという心配もありますが、ダルビッシュはそこをあえて挑戦しています。勇気のいることです」
国谷「ダルビッシュ選手は自著の中で、日本では記録を残せたが、これでいいのかと心情を語っています。そして、より広い世界でやってみたいと考え始めたようです」
与田は「いずれ大リーガーの打者たちもダルビッシュ投手の投球に目が慣れるでしょう。その時、彼がもがきながらどう成長していくのが楽しみです」
ナオジン
*NHKクローズアップ現代(2012年4月16日放送「ダルビッシュ有 大リーグへの挑戦」)