「震災後もなかなか変わらない日本ですけど、私はこれから日本を変えるのは、若者じゃなくて、60代以上の方の力だと考えているんですよ。というのは、いまの60代は、お金も時間もある。いわば『現代の貴族』なんです。そういう人たちこそ、日本はどうあるべきかを真剣に考えるべきだと思うんです。明治維新の革命児たちは若者だったけれど、彼らの背後には、若い彼らを抜擢したり、脱藩しても許した藩主、長老たちがいたわけでしょう。脱・ブラック化の主役は、60代ですよ」
「60代に期待」なんて…若手論客は語るだけじゃなく行動しろよ
これは「週刊現代」の瀧本哲史と與那覇潤の対談「『ブラック国家』と化した日本」の中の瀧本の言葉である。瀧本は『武器としての決断思考』(星海社)などの著書がある京都大学客員准教授で投資家。與那覇は愛知県立大学准教授で『中国化する日本』(文藝春秋)が話題になっている若手論客2人である。
瀧本はブラック企業ならぬブラック国家に日本はなっていると唱える。忠誠心だけが強調されて、支配されていることに誇りを持った不思議な人たちが、小さなルール違反を血眼になって取り締まる国家だという。そうした日本を変えるのは自分たち若者ではなく、60代の年寄りたちだというのだから、言うも言ったりである。
自慢じゃないが私は高齢者だが、時間はあるが金はない。いまのような日本にしてしまった責任の一端はあるが、先が短いから目先のことしか考えられない。だいいち考えようにも記憶力も思考力も落ちてきているから、考えがまとまらないのだ。
若き論客さんたちよ。年寄りに大きな期待などせずに、自分たちが日本を変えるぐらいの「大志」をもって、語るだけではなく行動してもらいたいものだ。そうすればわれわれ年寄りたちは喜んで、あんたたちの屍を拾うボランティアぐらいはするよ。