メジャー公式戦初登板したダルビッシュとイチローの対決はイチローに軍配が上がった。緊張のあまり2回目までに8安打5失点と乱調になるのもやむを得ない。3回以降は味方の強力援護もあって6回途中の降板まで無失点で乗り切り、デビュー戦を白星で飾った。
試合後、ダルビッシュは「勝負にいきたくていきたくて、体と精神の状態がアンバランスだった。イチローさんはもともとすごい選手だっていうのもありますし、勝負できる状況ではなかった。誰に対しても…」と不満足なデビュー戦を振り返った。
見る見る変わっていったファンの顔色
アメリカの反応はどうだったのか。テレビ朝日ニューヨーク支局の名村晃一支局長はこう伝える。「私のところの記者がスタンドで見ていましたが、KO寸前までいきましたので、見ていたファンは相当ヤキモキ。反応も早く、絶望的なダメージを受けると見る見る顔色が変わって、それがヤジになっていました」
メディアの反応については、「AP通信が『これ以上不安定にならないだろうというぐらい不安定なスタート』という表現で厳しいんですが、『球団は日本に返そうかなと思ったのではないか』という書き方までしていた。契約金の高さから何を言われてもという部分はあるのですが、一方、アメリカはフェアで、勝利に繋がるその後の踏ん張りには評価を惜しまなかった」という。
課題は見えた。被安打の大半は左打者
サッカー解説者の松木安太郎「相当プレッシャーがあったんだろうと思う。ただ、監督さんがあれだけ点を取られても代えなかった。1シーズンを考えた時、この選手の素晴らしさをちゃんと分かっているのだと思う」
打ち勝ったイチローは「(降板でダルビッシュが)ダッグアウトに下がって行く時、帽子を取らなかった姿がすごくよかった。この内容では…というプライドが見えた」と評価する。
次回は中4日置いて日本時間15日(2012年4月)に行われるツインズ戦に登板すると見られているが、課題もはっきりした。左打者への制球難。8安打を打たれたうち7本が相性の悪い左打者だった。