牛生レバー一律販売禁止でレバ刺し闇市化
フライデーは6月から施行予定の牛レバ刺し禁止令にも「厚労省の責任逃れだ」と怒っている。昨春、「焼肉酒家えびす富山店」などでユッケなどを食べたお客が集団食中毒を起こし、死者5人を出したため、厚労省がユッケや牛生レバーの実態調査をやり、重度の食中毒を起こす恐れのある病原性大腸菌O-157が確認されたとして生食禁止方針を出したのだ。小売店が生食用として販売するのも禁じられ、違反すれば「2年以下の懲役か、200万円以下の罰金」だそうだ。
牛生レバー販売禁止による損失は「業界全体で300億円」にものぼるという。しかし、「生レバーは本来、適切な洗浄処理をすれば、生で食べても食中毒のリスクを軽減できます」と、全国食肉事業協同組合連合会の小林喜一専務理事は憤る。大阪市立大学大学院の西川禎一教授も、レバ刺しなどによる食中毒事故を確認したところ、圧倒的に子どもと高齢者が多く、豚レバーと鶏レバーについてはO-157が少ないから死者が出ることはほとんどないと話す。
獨協大学の森永卓郎教授は「今回のように一律に禁止してしまうと、かえってレバ刺しが闇市化する可能性が出てきて、逆に不衛生で危険なレバ刺しが出回ることになるのではないか」と危惧している。役人が自分たちの責任逃れから、味噌もクソも一緒くたにして禁止してしまうことへの批判はもっとしていくべきであろう。
森永教授がいうように、「そもそも、食にリスクゼロのものはありません。大切なのは、行政がどう知恵を絞って、安全性を高めていくかなんです」。何はともあれ、今晩は京成八広駅の四ツ木交差点の角にあるレバ刺しの元祖「丸好酒場」へ行って酎ハイで極上のレバ刺しと煮込みを喰おう。