「週刊ポスト」が東京電力の電気料金値上げに対して経団連などの大企業から「値上げやむなし」という発言が出てくるのは、大口事業者向けは「自由化部門」とされていて、電気料金が顧客企業との相対契約であるため大幅値下げして契約しているからだと難じている。資源エネルギー庁によれば、2010年度の電気料金の全国平均単価(1キロワット時あたり)は、家庭向けが20・37円、法人向けが13・65円となっている。しかし、河野太郎衆議院議員によれば、「私が調査しているところで、一番安い額で某製造業の7円(1キロワット時あたり)。こうした契約料金が表に出てこないのは、料金を開示しない条件を契約書に盛り込んでいるからです」という。
7月には家庭用電力料金の大幅値上げが予定されている。東電は電気を買うしかない弱者である一般家庭からはいくらでもむしり取れるという腹づもりなのかと、ポストは非難する。
「電力料金を一手に握る東電と、料金優遇という既得権益にしがみつく大企業の癒着関係。これを打破しない限り、国民は東電からむしりとられ続けることになる」(ポスト)
これこそ国会で追及すべき大問題である。
吉本興業ジリ貧…さんましか売り物なく30億円大赤字
文春の「吉本興業非公開『決算報告書』をスッパ抜く!」によれば、吉本興業の経営がえらいことになっているようだ。2011年4月から9月の決算書によると、半年間で売り上げは237億円、最終損益は15億2000万円の赤字で、このままいくと11年3月期と同じように30億円程度の大赤字になるというのである。原因は成長の源泉だったテレビが頭打ちになり、視聴率のとれるのは明石家さんまぐらいしかいなくなってしまったことと、大崎社長が決断した「上場廃止」が響いているというのだ。これを機に吉本の資産は激減していったという。吉本の決算書を見た銀行担当者はこういう。
「08年3月時点で二百三十七億円まで積み上げていた現金が、いまは五十億円まで減っています。同じく純資産(返済しなくてもいい資金)は四百八十五億円から百五十億円まで減少。よく言えばスリム化しましたが、要するに小さな会社になってしまったのです」
この銀行担当者は「この状況が続けばジリ貧です」と見て取る。超優良会社といわれた吉本だったが、私は中田カウスや島田紳助問題で噴出した暴力団と吉本の癒着構造が、視聴者の嫌気を誘ってしまったのではないかと見る。最大の市場である東京の視聴者が吉本離れをしているとしたら、ことは深刻であろう。