きのう4日(2012年4月)付けの朝日新聞と読売新聞の朝刊に全面広告が出た。「AKB48の前田敦子より総選挙についてファンの皆様におつたえしたいことがあります。本日15:00配信 Google+ YouTube」とだけある。先に、「卒業」を宣言したあっちゃんが、注目の「総選挙」について自らファンに語るというお知らせだ。まあ、いかに儲かっているとはいえ、この仕掛けには驚いた。午後4時 からは握手会があって、ファンが詰めかけていたが、3時に動画で前田敦子がボソボソと話した。多くが携帯でこれを見ていたことだろう。
きのう4日午後「動画」で異例のメッセージ
「卒業を考え始めたのはずいぶん前で、たかみな(高橋みなみ)や一部のメンバー、秋元康さんにも相談に乗ってもらった」「AKBじゃなくなったら何が残るんだろうと、不安はありました」「私なんかがひとり立ちできるのか。いままではメンバーのみんながいてくれたし、AKB48という戻る場所があった」。そして最後に「AKB48の総選挙の方は辞退させていただきたいと思います。ごめんなさい」と涙を浮かべた。約7分。
今年の第4回総選挙は6月6日で、17枚目のシングルのセンターポジションを決める。あっちゃんは1回と3回のセンターだ。彼女が出るか出ないか、卒業はいつになるのかが注目だった。
動画を見たファンは、「やだ、あっちゃんやだ」「ショックのあまり何も言葉が出ません」「あっちゃんがそう判断したのなら、ボクはいいです」などという。ファンの南海キャンディーズの山里亮太は「自分が抜けた時の不安をあんなにはっきりといえるのは、AKBの看板ではなく、1人の前田敦子として動き始めた決意と素直な怖さの表現だと思う」という。
卒業の時期「まだみなさんと話し合いできていない」
握手会では中山美香リポーターが代表インタビューした。
――辞退はどんな思いからだったんですか。
「卒業を発表したので、時期は決まってないけれど、今回は応援する側に回りたいなと。そばで応援します」
――会場には行くの。
「行きたいです」
――メンバーには辞退は伝えたんでしょうか。
「ちゃんとは伝えてないです。まだ」
――卒業の時期は?
「まだ皆さんと話し合いができていないので、これからです」
前田が主演した映画「苦役列車」の山下敦弘監督はこんなことを言っていた。「昨年12月に撮影が終わったとき、役者をやりたいと宣言したので、みんなドキッとした。だから『卒業』と聞いたときも、早かったなと思いましたね」。映画の設定は1986年なので、茶髪を黒にしてと言ったら「やります」と即座に答えてマネージャーが焦ったほどで、決意を感じたという。
司会の加藤浩次「総選挙辞退はまあ当然か…」
キャスターのテリー伊藤「(総選挙に)出ちゃうと、意味が違ってきちゃう」
インタビューした中山は「動画では涙を見せていたんですが、イベントではすっきりとしていて、ふっきれた感じでした」
加藤「違った道に行く怖さはあるんでしょうね」
テリー「ただ、AKBでやったという達成感があるからいいですよね。彼女の潔さを評価してあげたい」
しかし、金のなる木となるときれいごとでは済むまい。彼女が総選挙の会場に来るか来ないかでも足を運ぶファンが左右されるのだから。