関西電力・大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働が先送りされることになった。関係閣僚による初協議が3日夜(2012年4月)に開かれ、再稼働判断の前に安全基準の見直しをすることになったのだ。
協議でどんな話し合いが行われたかは不明だが、その後の閣僚の発言が揺れ動き始めたことから、かなりの意見の衝突があったことがうかがわれる。
「きのうは賛成ではなかったが、きょうは政府の一員として…」
2日の参院予算委員会で、枝野経産相は大飯原発の再稼働について、「現時点で私も再稼働には反対です」と明確な答弁をした。ところが、翌3日の閣議後の会見では次のようにトーンダウンしてしまった。
「きのう(2日)の昼の段階ではすべての記録を精査していなかったので、その段階では賛成ではなかった。政府がどう判断するか、政府の一員として合議のうえで決めるわけですから話し合って…」
司会の羽鳥慎一は「この表現の微妙な変化は、関係閣僚会合で誰かに何か言われたんでしょうね」と訝った。女優の東ちづるも「国語のテストみたい。先の発言は明快で良いなと思っていたんですがね」と顔を曇らせた。
岡田副総理「関係閣僚協議の記録残すな」
迷走発言は枝野経産相だけでなかった。関係閣僚会合で話し合った中身について、公文書館担当の岡田克也副総理が3日の会見で「非公式の情報を共有する場なので、記録を残す対象じゃないだろう」と発言したが、枝野は「記録はしっかりと残し、いずれは国民に評価していただくことになる」と食い違う発言をしている。関係閣僚会合は原発再稼働を決める重要な会合で、それならばきちっと記録に残すべきで、枝野の言い分の方が正しい。
枝野のバックには仙谷由人政調会長代理がいて、仙谷は再稼働に積極的だ。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト