スー・チー当選で民主化演出?ミャンマー軍独裁政権したたか計算

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   民主化運動のリーダー、アウン・サン・スー・チーさんが連邦議会補選で当選し、ミャンマーの春が加速しているが、キャスターの国谷裕子は「車を置いて戻って来たら車がない。車の中に置いていた携帯電話が消えていると、ミャンマーは治安状況も不安定な状態にあります。普通の国に戻りたい、ミャンマーの人々はいま切実に願っています」と語る。

経済制裁緩和で外国資金引き込み狙い

   4月1日(2012年)に実施された補欠選挙で、スー・チーが率いる民主化勢力・国民民主連盟(NLD)は、45議席のうち43議席を獲得した。

国谷「国連の非難決議に基づいて、テイン・セイン大統領のリーダーシップが問われていました。現政権は昨年春に民政移管し対話路線に舵をきりました。海外からの次の関心は、未開拓の状態にある人口6000万人の市場や豊富な労働力です」

   すでに、日本の婦人服メーカーやEUが、アメリカよりもひと足早く進出のチャンスを窺い、ミャンマー政府も投資法改正や二重為替の廃止など、外国からの投資に有利な環境の整備に乗り出している。

   工藤年博(ジェトロ・アジア経済研究所主任研究員)は、市場・生産拠点としてのミャンマーをこう解説する。

「ミャンマーの人たちは教育水準も高く、英語に堪能な人も多い。人件費でも中国と比較すれば、中国はミャンマーの2倍で、生産工場を中国からミャンマーに移転させる動きが強まっています。
ただ、ミャンマーの民主化は平坦な道ではありません。補欠選挙の大勝でも、(民主化勢力の)議席数は上下両院の7%に満たず、事実上の軍部支配は変わりません。(スー・チーらの当選は)海外からの援助や投資など経済制裁緩和に弾みとなるのは間違いないが、国内問題解決はその後でしょう」
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