4月の新学期から中学1、2年の保健体育でダンスが必修になる。ピップホップなどに生徒たちはウキウキだが、教える先生たちは大弱り。陸上競技が得意でも、ダンスはからきしダメというの が続出らしい。
生徒に人気はヒップホップ、ストリートダンス
どのダンスを選ぶかの選択肢はある。「創作ダンス」「現代的なリズムダンス」「フォークダンス」の3つだ。文部科学省の調査では、66%の学校がリズムダンスを選んでいるという。ヒップホップ、ストリートダンスなど強烈なやつだ。
それでなくても子どもたちのダンス熱は高く、ある大手ダンススクールの受講生数は01年の400人が11年には1万2000人と30倍になっている。これに合わせて、運動会で人気のシューズ「俊足」にダンス・シリーズが登場。ステップが踏みやすく、メーカーは年間の販売目標を10万足から25万足に修正したという。スーパーの「イオン」はダンスウエアを販売し、売れ行きは計画比130%だとか。
不安がいっぱいなのは先生の方だ。この春休みのダンス講習会には中学の体育の先生たちの姿が目立った。砲丸投げが専門の今岡鉄郎先生(足立区立花畑北中)は、「自分で自信もってできるものではないから、それを教えるとなると…」と言い、なかなかリズムについていけない。別の先生も、「リズムに乗れません」
別の悩みを持つ先生もいた。古澤政光先生(新宿区立西早稲田中)は元走り高跳びの選手で体育教師歴20年だが、いま54歳。 講習会参加者中の最年長だ。見ていても完全に足に来ていた。「体育の先生は、子どもを動かして自分は動かないもんで申しわけございません。久しぶりに運動しました」と笑う。「生徒にバカにされますから」と帰宅後も特訓だ。これを見ていた長男(13)は「ダメですね」。長女(15) は「20点」と手厳しい。先生は「がんばります」というしかない。
文科省も文書通達「教師の下手なダンスが生徒を勇気づけます」
司会の小倉智昭「いま小学生からヒップホップやってる子がいるから、中学生になったら先生より上手いのはたくさんいる」
取材した榎並大二郎アナが登場して、教わったという基本ステップを踏んでみせたが、かなりの激しさ。彼だって先生方から比べると十分に若いが、ホントの若者とは違う。どこかおじさん臭い。コメンテーターの高木美保(タレント)が笑い転げていた。
ダンス必修の目的は多様な運動に触れることと、表現やコミュニケーション能力を育てるのだという。
小倉「なんで先生方はフォークダンスとか選ばないわけ?」
榎並「EXILとかAKBとかがなじみやすいらしい」
文科省が出した文書にも、「ダンスが得意でない先生が積極的に動く姿は、苦手な生徒を勇気づける」とあるそうだ。まあ、ものはいいようだ。
小倉「先生より上手い生徒がいるじゃないですか。そいつにやらせて、先生はポケットに手を突っ込んで見ていたけどね」
高木「ダンス部の生徒を前に出して」
小倉「それも教育だと思うけどね」
デーブ・スペクター(プロデューサー)「アメリカだと、ヒップホップは反社会的な色があるから、学校でやるなんて相当違和感がある」
はあー、本家は違うんだねぇ。