東京電力福島第1原発2号機の格納容器内で、最大で毎時7万2900ミリシーベルトという極めて高い放射線量が計測された。この数値は6分間いただけで人は100%死亡、ロボットでの作業も電子回路が破壊されてしまうため困難という。東電によると、メルトダウンした核燃料が原子炉を破壊して格納容器の底まで溶け落ちているためだ。メルトダウンした他の原発でも同様の事態が考えられ、30~40年かけて廃炉にするという政府の計画も危うくなってきた。
「冷温停止」宣言の根拠怪しい
司会のみのもんたは「こういう事態をコントロールする技術ってないんですね、日本は」と言うと、弁護士の若狭勝(元東京地検特捜部副部長)は「安全神話でずっと来ていたが、実は制御不能な状態が十分あり得たという象徴的な話だと思う」と話す。
ここで話は野田政権が大飯原発などの再稼働に前のめりになっていることに及び、若狭は「こういう現実を目の当たりにすると、もう1度立ち止まって真剣に考えなければいけないと思う」と懸念する。みのが「政治判断ってどういう意味ですかね」と元総務相の片山善博に聞く。
「科学的根拠に基づいた判断があって、それに対して非科学的な反論があった時に政治的判断をするなら分かるが、前段があやふやですから国民は納得しないでしょう。政府はこの間、冷温停止ができたと言っていたが、こういうことが分かればその根拠も疑わざるを得ないですね」
冷温状態にあるとはいえ、事故の現場は人間が制御できない状態で放置されたままだ。いつ何が起きるか予測不可能では停止したとは言えない。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト