「次はウナギです」と司会の小倉智昭が目を剥いた。日本人にとっては一大事だ。ウナギの稚魚シラスが3年連続の不漁で、このままだと絶滅するかもしれないと、水産庁はきのう22日(2012年3月)に対策会議を開いた。原因は不明だという。
1時間でやっと1匹「白いダイヤだよ」(漁師)
シラスが不足すると養殖もできない。数が減ってウナギの蒲焼きの値段も上がっている。東京・目黒の老舗 「にしむら」には「値上げのお知らせとお詫び」と大きな張り紙があった。かつて1700円 だったうな重が、昨年7月に1900円 に値上げし、先月は2200円になった。
「心苦しいんだけど、この2年、 どうにも踏ん張りようがないくらい上がっている」という。別の店でも「1月の下旬から値上げさせていただいた。どうしようもない状態なので」と話す。仕入れ値が一昨年の2~3倍では仕方がない。客の方も「あまり食べられなくなる」とあきらめ顔だ。
神奈川・藤沢市の河口で網をはる漁師を岸本哲也リポーターが訪ねた。シラスは夜、川をのぼるので、作業は深夜になる。灯りをつけて網ですくう。指先ほどの長さの透明なシラスは、高値だから「白いダイヤ」ともいわれる。だが、獲れたのは1時間で1匹。5時間で10数匹だった。水産庁によると、漁獲量は3年前の24・7トンがいま9・5トンと半分以下だ。生魚の値段も07年 には1キロ2000円以下だったものが、いま4000円超。中国産も同じように高くなっている。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト