野田政権の「身を切る改革」はどこへ行ったか。井上貴博アナが解説したところによると―。国家公務員の給与削減は先月29日(2012年2月)に平均7.8%削減が示されたが、今年4月から始まったとして14年3月までの2年間の限定付き。翌月から消費税率が現行5%から8%にアップして、その段階で給与は元に戻る。
自画自賛の「独法削減」も看板の掛け替えだけ
「身を切る」と言いながら、もっとおかしいのは国会議員の歳費削減だ。野田首相は「10%以上の削減が必要」と言い、出てきた民主党案は300万円削減だったが、実施期間をめぐって民主党の樽床幹事長代理が「国家公務員の給与削減が2年間の期間限定なら、国会議員もそれに準ずる必要がある」と言い出す。
国会議員の定数削減も、民主の「0増5減+比例80減」に対し、自民は「0増5減を先行」、公明は「比例80減に反対」とガタガタ。そのほかの「身を切る改革」では、民主党は102ある独立行政法人を4割に当たる65法人を削減したとしているが、慶応大大学院の岸博幸教授は「単なる看板の掛け替えで、実際は1割削減しかない」という。
また、11年に319億4199万円あった政党交付金について、岡田副総理は今年1月に「減額を検討する必要」を指摘したが、その後に協議した形跡はない。
政党交付金は半分に減らせ
こうした身を切ろうとしないウヤムヤ状態に、司会のみのもんたは「ダメ。『0増5減+比例80減』ができなかったら、その分交付金カットですよ」と怒る。コメンテーターの若狭勝(弁護士)も「そうですよ。これは素朴な国民の気持ちです」
逢坂ユリ(資産運用コンサルタント)は「交付金ができたのは94年ぐらいでしたか。国の借金の額も当時と今では違うし、社会情勢も違う。一般人の給料もどんどん下がってきているので、交付金は半分ぐらいに大胆に改革していい」と断を下した。