福島原発事故から1年が経過し、避難地域に残されたペットたちはいまどうしているのか。警戒区域内には約1万頭の犬や猫が飼われていたと見られている。しかし、原発事故避難で飼い主は、ペットを連れて行くことができなかった。これまで県が保護したペットは708頭、大半がまだ放っておかれている。
仮設住宅はペット飼育禁止
警戒区域に残る被災ペットを集中保護するために、環境省や県の職員が15日朝(2012年3月)、南相馬市に集まった。こうした活動はこの日で3回目。100個の保護器を設置するためにこの日も区域内に入った。
これまでに保護された708頭のペットは、289頭が飼い主のもとへ戻れず、県動物救護本部が運営する2か所の施設で保護されている。施設内の犬のシェルターに近づくと、飼い主恋しさか一斉に吠える。心配されるのは健康状態で、世話をする職員6人では毎日散歩というわけにはいかないようだ。
運営費も底をつき始めている。東京電力はそれどころではないと無視を決め込んでいるのか、これまで1億5000万円の義援金で賄ってきた。しかし、ペットの治療費などで月500万円の出費があり、すでに1億円は支出済みという。県やNPO団体はペットを写真付きでホームページに掲載し、飼い主に返す活動を続けているが、仮設住宅ではペットの飼育が禁止されているため、引き取りたくても引き取れない飼い主が多い。
県とNPO団体が15日も集中保護活動
15日に集中保護活動を行った職員たちが夕方、1頭の犬を連れて帰り施設に保護した。どこで餌を探しているのか、1年経ってもまだ生きているペットがたくさんいるのだ。
司会のみのもんた「ペットだけじゃありませんよ。牛、馬、豚、鶏にしてもそのまま。はっきり言って放置という感じです」
吉川美代子(TBS解説委員)「いまは善意で支えられていますけど、義援金が底をついてしまったら助けられなくなる。このまま何年も保護というわけにもいかないと思う。とすると、いずれは殺処分になってしまうのかなと思うとやり切れない」