東日本大震災の被災地で深刻化している問題の1つに「仕事がない」ということがある。阿部祐二リポーターは「震災で仕事を失った人は約14万人。たとえ町並みが帰ってきても、仕事がなければ元の生活には戻れません。住んでいた町から離れる人が増えています」と報告する。
会社再建…戻ってもアルバイト雇用で収入半分
旅行代理店の営業マンだった助川浩之さん(50歳)は震災で会社はなくなり、失業状態の中で家のローンがまだ3000万円近く残っている。「助川さんもそうですが、失業手当が切れる時期を迎える人が多数います」と阿部は伝える。
缶詰などを作る水産加工会社勤務から土木の重機オペレーターの訓練に静岡県で仮住まい中の佐藤学さんは、「会社は再建され再雇用の連絡は来たが、身分はアルバイト扱い。月収は半分となり生活は立ち行かない」と戸惑っている。
司会の加藤浩次「中年で今までとはまったく違う仕事に就くというのは難しいでしょう。肉体的だけではなく、精神的にも辛い思いをすると思う」
東京や神戸が受けた打撃と大きな違い
コメンテーターの勝谷誠彦(コラムニスト)は「関東大震災も阪神淡路大震災も大都市が被害にあった。だから、都市の復興が雇用の確保にも繋がった。でも、今回の震災被害は地方の広範囲で起きている。その地域で仕事を確保するには地域復興とともに、何をしなければならないのかを真剣に考えなければならない」と話す。東京や神戸は都市機能と建物が復活すれば、カネも人も集まってきたが、今回の大震災の被災地はそうはいかない。瓦礫処理がなんとかなり、インフラが整備され、人が少しずつ戻ってきたとしても、ポツンポツンと住んでいる状態では商店も工場も成り立たないからだ。
キャスターのテリー伊藤「地域復興のためにも、大企業の工場を政府が率先して誘致するなどのことが必要だ。地元任せでは雇用問題はなくならないし、地域から出ていく人が増えるばかりだ」
大企業の工場ほど必要な従業員は少なく、すでに多くが再稼働していることをテリーは知らないのだろうか。まさにお座なりコメント。それよりも津波を被って塩分が抜けなかったり、放射の汚染されている田畑を耕作できるようにすること、加工場などを含めて漁港機能を回復させることが、このエリアでの仕事を取り戻すことにつながるはずだ。