福島事故1年「2人の息子が安い給料で原発で働いているんだ」

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「皆さんのために働いていることを忘れないでください」

   このボードに「絆」と書いた宮古の86歳 の女性がいた。が、この「絆」自体が大いにあやしい。端的な例ががれき処理だ。3県のがれきの総量は2253万トン。政府はこのうち400万トンの処理を他の自治体に期待しているが、1年経っても処理されたのは6.4%に過ぎない。受け入れ自治体はまだ4都県だけ。13自治体が検討中、検討もしていないのが28県、うち15県が放射能汚染を理由に挙げる。細野豪志・原発事故担当相が「汚染度は東京とほぼ同じの普通のがれき。被災地のためにお願いしたい。費用は全て国がもちます」という。放射能への不安は、元をたどれば政府が信用されていないということだ。

   小倉はきのう放射線測定器を持ち、防護服で福島第1原発から20キロの警戒区域に入った。線量計の数値がマイクロシーベルト時(μSv/h)でコンマ・ゼロゼロから2ケタまで大きく振れる。ここでは普通の住宅は地震で崩れたまま、港は津波に洗われたまま。がれきにもなっていない。

   小倉は「請戸なんて全部がモニュメントですよ。このまま残されてしまうんではないかと不安になります」という。そして、いわきで会った夫婦の話をした。18歳と21歳の息子が東電で働いてる。「俺たちがやらないと」と安い給料で原発で働いている。 「皆さんのために働いていることを忘れないでください」といわれた。胸を打たれましたね。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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