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空腹健康法―腹ペコで長生きするか、酒飲んでうまいもの食ってそこそこの人生か

   ところで、「『空腹』が人を健康にする」(南雲吉則著・サンマーク出版)という本が売れているそうだ。同じ著者による講談社プラスα新書「50歳を超えても30代に見える生き方」も好調だという。

   クリニックをやっている56歳の医師だが、私には年相応に見えるが、骨年齢28歳、血管年齢26歳なのだそうだ。この御仁、前は暴飲暴食で77キロまで太っていたそうだが、1日1食にしたらやせて生活習慣病も正常値になったという。彼によれば食事を40%減らせば寿命は1・5倍延びるそうである。

   以上は現代からの引用だが、ポスト「1日1食で寿命が15%延びる?」によれば、学術誌「ネイチャー」に掲載されて話題になっているのがサーチュイン遺伝子で、これは長寿遺伝子や若返り遺伝子と呼ばれるそうだ。この遺伝子のスイッチを入れるには「腹ペコ」でガマンすること。その理由は、「サーチュイン遺伝子は、空腹の状態、つまり摂取カロリーが減ると活性化する。これは動物としての防護機能と考えられ、食料が減って養分が足りなくなると、細胞レベルの損傷を防ぐために修復機能が活性化するというわけである」

   老化の原因になる活性酸素は食物から作られるので、食べれば食べるほど活性酸素を取り込み、体を壊していくそうだ。ここでも南雲医師が「腹六分目」「一汁一菜」にすれば健康で若くいられるといっている。毎日ひもじい思いをしてまで長生きしたいか、酒も好きなものも食べてそこそこの年まで生きるか。私はだいぶ前から年より老けて見られるし、足腰は弱り、体は生活習慣病の宝庫だ。これも不摂生の賜物、致し方ないのだろう。

   「週刊新潮」で「死亡率が圧倒的に低い『長野県』なぜか」という特集をやっている。長野の平均寿命は男性が1990、1995、2000、2005年と4回連続1位で、女性も05年に5位になっている。かつて長野は脳卒中による死亡率が高かったが、県に「食生活改善推進協議会」をつくり塩分の摂取量を下げる運動を始めたそうだ。それと野菜の摂取量が男女ともに全国1位。健康に対する意識の高さと塩分を控え、野菜を食べれば長寿になるそうだ。いまさら遅いが、長野へでも引っ越すか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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