福島第一原発事故で懸念された最悪シナリオのひとつに、4号機の燃料プール問題があった。野ざらし状態で冷却できなくなった燃料プールの使用済み核燃料が溶け、膨大な放射性物質が出てくるといったものだった。
原発再稼働論がかしましいなか、危機感を露わにするテレビ朝日社員コメンテイター兼リポーターの玉川徹は、小出裕章・京都大学原子炉実験所助教にインタビューし、原発の危険性を視聴者にリマインドしてくれた。
野ざらしの燃料プールにヒビ入っただけで…
事故当初にくらべれば、一定の電気や水(循環)ができている――とはいえ、小出氏によれば、4号機プールの根本的な状況に変わりはない。地震などで建物やプールが壊れ、水が抜けて燃料が冷やせなくなれば、今よりも破局的な事態になるのだ。
そうならないためには、一刻も早く燃料をプールから取り出すべきだが、本来の移動装置は壊れ、プール内にはおそらくがれきが散乱している。作業は水中で巨大な容器に入れ移すといったおおがかりなもので、年単位の時間が必要になる。
東京電力の工程表では、取り出し作業に入れるのは来年12月(2013年)以降だという。「それまでにプールにヒビでも入って水が抜けちゃったら、東京まで含めてアウトです」(玉川)
文
ボンド柳生