野田首相と自民党の谷垣総裁の密会がバレて、両党内でトップへの不信感が広がっている。密談を懸命に否定するのは当の2人だけ、永田町では密談前提で話が進んでいる。
コメンテーターの与良正男(毎日新聞論説副委員長)はフリップに「政界再編の兆し?」と書いたが、さて何が話し合われたか。
合意に失敗したため両者とも否定
密談があったとされるのは、国会で党首討論が行われる4日前の2月25日(2012年)だ。気になる密談の中身だが、解くカギは党首討論にあった。谷垣の追及の甘さが目立ったことに加えて、小沢グループに増税法案に反対され足元が揺れていることを指摘された野田は、「51対49の党内世論でも手続きを踏んで決めたら皆で頑張っていく」と答えた。
与良によると、その後に「その場合は自民党さんも協力してくださいね」が続くのだという。野田の狙いは「小沢切り」。自民党とタッグを組んで消費税増税に反対する小沢元代表らを切り捨てようという腹づもりというわけだ。一方、谷垣は増税法案で野田に協力する見返りに解散を約束させるハラだったらしい。
ただ、密談は「結論的には詰め切れなかったので、会っていないと否定せざるを得ないのでは」(与良)という。かりに「話し合い解散」で合意となっても、これではどちら党も国民が信任するとは思えない。
与良「どっちの党もバラバラ。(とくに野田首相は)今後、分裂覚悟で臨むしかない」
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト