沖縄・普天間基地の辺野古移設問題で防衛省がまたボロを出した。未明にこっそり沖縄県庁に運び込んだ辺野古の環境影響評価書(アセスメント)が、実は防衛省職員を天下りさせた民間調査会社に発注してできたものだったことが分かったのだ。司会のみのもんたは「ふざけんじゃないよ」と怒りを抑えられない。
総額の9割以上80億5400万円―過去にない巨額調査
防衛省が調査の発注をしたのは9社で、総額約86億1400万円。このうち、防衛省OB7人が再就職していたのは5社で、7人のうち3人は防衛省が斡旋していた。5社の受注額は全体の93.5%に当たる80億5400万円にのぼっていた。2003年に天下ったひとりを除いて、6人は普天間基地移設が問題になった09年6月から10年3月にかけて再就職していた。
アセスメントに詳しい東京都市大学の青山貞一教授も「ここまで(金額が)大きいアセスメントは過去に聞いたことがない。役所が仕組んだというか、次々大きくしていったことが感じられる」と訝る。
仲井真弘多知事あきれ顔「粗さ感じる」
沖縄県議会でも22日(2012年2月)に取り上げられ、県議から「お手盛りの調査を行っているという疑念が消えない」という質問に、仲井真弘多知事は「客観的、サイエンティフィックなデータとしてはどうかなという感じを抱かざるを得ないような粗さを感じた面が、ないわけではない」と答えている。
与良正男(毎日新聞論説副委員長)「これだけお金をかけて、仲井真さん曰く『粗さが目立つ』。辺野古移設はムリだと言ってきたのにね」と呆れた。
野田首相は近く、総理になって初の沖縄を訪れるが、ボロ続出にどんな対応をするか。