トマトダイエット―効果あっても医薬品になるまであと20年
放射能についての話が長くなってしまったが、この他の注目記事をあげておく。メディアなどの影響で特定の食品の効能が過信され、消費者が殺到することを「フードファティズム現象」というらしいが、京都大学の河田照雄教授らの研究グループが、マウスの実験により、トマトには脂肪肝や血中の中性脂肪値を改善する効果があると実証されたと発表して、スーパやコンビニからトマトジュースが姿を消してしまった。そこで「週刊新潮」はさっそく「トマト・ダイエットは効くか!効かないか?」という特集を組んだ。
トマトが体にいいというのはこれまでもいわれてきたことだから、ブームはすぐ終わるという見方がある中で、絶賛する先生方もいる。大村裕・九州大学名誉教授もその一人だが、こういう研究成果が医薬品になるまでにはあと20年ぐらいかかるというから、気の長い話である。佐藤祐造・名古屋大学名誉教授も、トマトという基本的に毒のないものを食べて肥満が解消されるのなら素晴らしいから、研究を深めてほしいとエールを送るが、トマトがメタボにいいからとトマトだけを食べるようなことをしないようにと釘を刺す。