出会い系サイトの詐欺被害は男性より女性が急増している。「国民生活センターによると、手口はますます巧妙化していて、「サクラ(成りすまし)詐欺」の横行で被害額は100億円以上です」と小林孝司アナは警告する。求人情報サイトや懸賞サイトなどから誘導して出会い系サイトに登録させ、高額な有料メールを何度もやり取りさせる手口だ。
有働由美子キャスターが引き取り、「まさか自分がと思っている方からのファックスもたくさん届いています。なぜ被害に陥ったのかを今日は徹底的に研究していきます」と伝えた。
飲食店経営者の悩み聞いてるうちに10日間で17万円
昨年9月(2011年)に被害にあった斉藤みどりさん(仮名・30代)は、わずか10日間で17万円を騙し取られた。アルバイトで副収入を考えていた斉藤さんの目に留まったのは「悩み事相談者の話を聞く仕事」。登録料は無料なので気軽に登録したら、悩みを抱えた男から続々とメールが入った。その中から飲食店経営者を名乗る男性を選んだ斉藤さんは、400通以上のメールをやり取りした。
1週間後、サイトから「無料更新の期間が終わり、今後は送信に200円、受信に250円が必要です」と通告され、加えて未払い分の5000円も請求された。戸惑う斉藤さんに男から、「今後はアドレスを交換して個人的にやりましょう」とメールが届く。しかし、いざアドレスの交換になったら、「アドレスの交換券3万円が必要」と言う。次には「アドレス交換のタイミングがズレたからもう1度3万円」「操作ミスでもう3万円」「打ち合わせのメール費で1万円」と立て続けの請求が来た。
ここでようやくダマされたと気が付いた斉藤さんは弁護士に相談。ため息交じりに斉藤さんは言う。
「見抜けなかったですね」
「医者」「IT系社長」「芸能人」「遺産ある年寄り」自称するサクラ
サクラが介入する「ネットサクラ詐欺」はさまざまな手口で客を誘う。「懸賞が当たりますとか、ただで占いしますとか、ゲームサイトやミクシー、フェイスブックなどのサイトで実に巧妙な罠を掛けています」と小林アナ。
誘いの手口は「高収入、またはお金をあげます」「将来、利益を上げるための運用」「クルマや家電製品が当たった」などだ。そこから出会い系サイトに登録すると、今度は「商社マン」「医者」「IT系社長」「芸能人」「占い師」「遺産ある年寄り」を自称する「サクラ」が登場して、有料メールに引き込む。話を長引かせるためのウソは実に巧みで、「このまま悩みを聞いてくれたら高額のお礼をする」「アナタがいないとさみしい」「生活を援助する」などという。ネットサクラ詐欺に詳しい小田典明弁護士は言う。
「メールが残っていなくても、お金のやり取りが残っていれば、かなりの確率で取り返せます。とにかく早く行動すること、相談することです」
相談は国民生活センターのホットライン(0570-064-370)がいい。
磯G