犯行当時、18歳になったばかりの少年の犯罪に死刑は妥当なのか。13年前に起きた山口県光市の母子殺害事件で、最高裁は「死刑はやむを得ない」との判断を下した。4人の裁判官のうち1人が反対意見を述べるなど論議を呼んだ裁判だった。
事件の発生は1999年、当時23歳の主婦と生後11か月の長女が殺害された。妻子を奪われた遺族の本村洋さん(35)は被告の極刑を求め、被害者の権利と地位向上を訴えてきた。今回、死刑が確定することになり、本村さんは「遺族として満足しているが、うれしさや喜びの感情はありません。厳粛に受け止めなくてはならない」と述べた。
裁判官の1人が反対意見
司会の加藤浩次がコメンテーターの弁護士、菊地幸夫に判決の感想を聞く。菊地は「少年の犯した事件に対する最高裁の判断の基準が厳しい方向へ動いたと思います」言う。最高裁の判決の理由は「犯行時に少年であり、更生の可能性などを十分考慮しても、犯行が冷酷で、弁明も不合理、真摯な反省もうかがえない」というものだった。裁判官の1人が反対意見を述べたことについて、菊地は「今までは死刑判決は全員一致で決めて来た。国家が人の命を奪う死刑は極めて慎重に考えなければならないという意味では全員一致が理想だ」と述べた。今後の裁判員裁判へも大きく影響するとみている。
キャスターのテリー伊藤は「少年の更生も大事かもしれないが、被害に遭った家族の思いも大切だ。ただ、本村さんは弁が立つ人だったが、そうでなかった人の場合、同じような判決が出ただろうか。今回、こうした事例ができたのだから今後はしっかり守っていってほしい」