福島原発「内部公開」の厳重注意「地面触れるな」「物落とすな」

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   きのう20日(2012年2月)、福島第1原発が報道陣に公開された。昨年11月 以来だが、政府が「冷温停止」を宣言してからは初めて。この間に何が変わったのか。

   今回もバスに乗ったままだ。記者たちは防護服にマスクで身を固め、発電所内を約4時間回った。免震重要棟から原子炉注水ポンプ、1号機から4号機の前を通る。津波の爪痕はほとんどそのままだ。折れた送電鉄塔、ひっくり返ったトラック、窓ガラスがなくなった建物、ぼろぼろの原子炉建屋…。

依然高い放射線量―3号機は1時間で年間被曝限度の1・5倍

   放射線量は相変わらず高い。1号機で毎時100マイクロシーベルト(μSv/h)、2号機で300μSv/h、3号機はなんと1500μSv/h、4号機は100μSv/hだった。1500μSv/hは1時間で年間被ばく限度の1.5倍になる。

   取材したフジテレビ経済部の生野公司記者は、「痛みがあるわけじゃない。ただ警報音が鳴り響く。実感がない。わからないものへの恐怖、放射線への恐怖をあらためて実感した」という。

   高台の注水ポンプはトラックだ。ここから黒いパイプが何本も原子炉へ延びる。この冬、凍結でパイプが破裂して汚染水が漏れた。黒いのは断熱材だという。しかし、毎日何百トンという水を送り込んでいるにしては頼りなく見える。

   今回は原子炉建屋を見渡せる高台ではじめてバスを降りた。時間は15分。放射線量が低いところだが、このときの注意が「絶対に地面に触らない。ものを落とさない」だった。ここから4号機の建屋で働く作業員の姿が見えた。水素爆発で骨組みがむき出しだから、5階部分までの人の上がり下りが確認できる。使用済み核燃料の貯蔵庫からの燃料取り出しの準備だが、まだがれきの除去の段階だ。彼らの被曝量はどれくらいになるのかが心配になる。バスで脇を通った時、車内で100μSv/hだから、建屋の中はどれくらいか。この日、発電所全体では3000人が作業中だった。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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