「死刑」「無期」分けた18歳未満規定―母子殺害判決の厳密解釈

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反対意見の裁判官「再度、量刑判断をすべきだ」

   しかし、この判決には裁判官4人のうち弁護士出身の1人が「被告は、精神的・道徳的成熟度が相当程度に低く、幼い状態だったことをうかがわせる証拠が少なからず存在する。被告の人格形成や精神の発達に何がどのように影響を与えたか審理を尽し、再度、量刑判断をすべきだ」と反対意見を述べた。死刑判決で反対意見が出るのは異例という。それほど難しい判断だったことは確かだが、判決後、妻と子どもを奪われた夫の本村洋さんもこう述べている。

「嬉しいとか喜びとかそういう感情は一切ありません。社会でやり直すチャンスを与えてあげることが社会正義なのか、命をもって罪の償いをさせることが社会正義なのか、どちらが正しいことなのかとても悩みました」

   厳罰化の流れはやむを得ないにしても、ケースバイケースだ。虐待や母親の自殺による精神的な成熟の遅れについて、「もう少していねいに吟味してもよかった」という専門家の意見もあり、疑問が残る判決となった。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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