東日本のとりわけ太平洋側に甚大な被害をもたらした東日本大震災からもうすぐ1年が経つ。震災で発生したがれきをめぐっては、放射能汚染の心配などが叫ばれているが、こうしたがれき問題は、日本から7000キロ離れた米国西海岸にも波及したようだ。
300万トンが太平洋に流出
ワシントン州のカナダにほど近い海岸で、これまでまったく見慣れないブイなどを住人が見つけるようになったという。ブイ、ペットボトル、灯油タンク、使い捨てライター――。日本から流れ着いたと見られる品々で、なかには、東北のカキの養殖に使われる黒い大きな浮きもあった。
大震災で太平洋に流れ出たがれきは約300万トン。そのうちの25万トンが黒潮に乗って米国西海岸に漂着する見通しとなっているそうだ。本格的な漂着は2013年の予定だが、軽いものは風などに流されて、すでに西海岸に漂着している可能性は考えられるという。
ワシントン州では住民の不安が広がっており、州は住民に対して説明会を行っているという。説明会では、住民から「放射性廃棄物が流れ出した可能性はないですか?」といった質問が出た。「住民の懸念はおおまかに言って2つある。がれきの放射能汚染と危険物があるかどうか」(ワシントン州緊急対策課)
番組によると、こうしたがれきの処理は基本的に現地米国の費用、人員で処理することになるという。
文
ボンド柳生