「卵子の老化」気づいたときにはもう遅い?数減り子供産めない

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   寿命も延びた高齢化社会のいま、30、40代では若造といった趣である。医学や医療、栄養学も日々是発達しているから、そうしたことに気を配り、努力すれば、エイジングに逆らって、若々しさを保つことも不可能ではない――ような気がしてくる。

   いやいや、見た目はごまかせても、そういかない部分がある――とクローズアップ現代は言い出した。題して「産みたいのに産めない~卵子老化の衝撃~」。いくら見た目が若くても、体内の生殖機能は確実に衰えているのだそうだ。歳を取るに従って、卵子の数は減り、受精しても増えないことが多い。子どもを産もうと思っても、産めないのだという。

高齢妊娠・出産の難しさなんて昔から言われてたけど…

   番組によれば、この「卵子の老化」は見過ごされてきた深刻な事象である。不妊治療に来て、はじめて卵子の老化を知ってショックを受ける30~40代女性が多いそうだ。「もっと早く卵子の老化を知っていたら、もっと早く結婚し、子どもをつくる気持ちになっていたと思う」などと言う女性の声も紹介された。

   それを見ていて不思議に思ったことは、別に「卵子の老化」の詳しいメカニズムは知らなくても、高齢になるほど妊娠、出産はいろいろとむずかしくなり、さまざまのリスクが高まることは、常識的にほとんどの大人が知っており、その気になればいくらでも調べがつく事実ではないだろうか、ということだ。「卵子の老化」を知らなかったか、知らされなかったことは、彼女たちがいま子どもをつくれないことの、あるいはこれまでつくらなかったことにどれだけ影響しているのだろうか。

   番組はとにかく「卵子が老化する」という一点にこだわっていた。避妊や性感染症に加えて、その知識を教育で知らしめるべきだとかいう話や、「卵子の老化ということからも、妊娠には適齢期がある。自分の仕事、キャリアと、どちらが大切なのかをしっかり考え、自分で決めていただく」(杉浦真弓・名古屋市立大学大学院教授)と、仕事と子どもの二者択一を迫るかのようなコメントも聞かれた。

「でも大丈夫」とここでもアンチエイジング

   そして番組後半になると、よくわからないツイスト現象も見られた。卵子の老化は不可逆的だし、どうにも解決ならんのだという前提で進んでいたはずが、医学的研究によって、老化した卵子でも妊娠、出産の確率を高められそうな、この分野でも一定のアンチエイジングが期待できそうな話が出てくるのだ。

「うちで体外受精をする方は、平均年齢で40歳を超えている。その方々の子どもを作りたいという希望にどうこたえるか。技術的にはだんだん可能になってきている」(聖マリアンナ医科大学石塚文平教授)

   「衝撃」というよりは、どうも腑に落ちない「卵子の老化」であった。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2012年2月14日放送「産みたいのに産めない~卵子老化の衝撃~

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